自然なかつらを作るための流れ
自然かどうかはご家族やご友人の方に見てもらうのが良いでしょう。しかし、それが現実的でない場合は普段の「自分がセットした髪型」をかつら店の担当者に見てもらって判定してもらう方法もあります。自然なかつらを作りたい・・・それは至極当然のことです。
下記は、アートリイドに限らず、かつら会社でオーダーメイド製作する際の流れです。流れの中で失敗しないようにポイントをチェックしましょう。
まず、オーダーメイドは一般的にこのような流れになります。
ベース選び
かつら製品はベース(毛髪が植えられている土台)と毛髪で構成されています。まず、どのようなベースを選定するかです。ベースにはそれぞれ長所・短所があります。目的に沿ったベースセレクトができていないと、この時点で失敗ということになります。また同時に、装着方法も決めますがベースの種類によっては装着方法が1種類に限定される場合もあります。
ポイント:(例えば、生え際を自然にしたいとかの)希望を伝えた後、担当者が選んだベース(で製作されたサンプル)を実際に試着すること。試着で納得できなければ担当者が希望を理解していないか、それに沿うようなベースの取り扱いがないということになります。また、納得できた場合は、そのベースが対応できる装着方法が何種類あるのかと長所短所を確認することです。
毛髪関係
次に毛髪です。人毛か人工毛か、髪色、ウェーブ(パーマ)、毛量、白髪ミックスなどを決めていきます。完成したかつらの毛量が想像より少し多い程度なら技術調整で収まりますが、少ない場合はどうしようもありません。また、部分かつらの場合はベースの外周に植えてある髪が(側頭部や後頭部の)自毛に混ざってきますので自毛と色が合わなかったら色の段差が生じます。人毛なら染めて調整ができますが人工毛だった場合、染まらないので作り直すか自毛を染めて合わせるしかなくなります。
ポイント:人毛と人工毛の長所短所を質問し、生活上都合が良い方を選びましょう。
注意点は長所よりも短所の方に自分が対応できるかです。毛量については試着したサンプルの毛量を基準に増減を相談しましょう。また、必要に応じて特定部分の毛量だけ多くする、又は少なくするという方法もあります。(例えば、生え際の毛量だけ多くする、又は少なくする。外周だけ・・ツムジ・・というような)
型取り
型取りは、基礎の基礎になりますので自分の希望に沿ったかつらを作る上でかなり重要です。
人それぞれ頭の丸みは異なります。その丸みに合わせるために型取り技術の精度が求められます。また、生え際ラインの形と(額の)装着位置をどこにするかは自然に見せる上でかなり重要です。*型は透明フィルムなどを用いて職人技術で取る方法が一般的ですが、3D形状測定機で頭部の形を測る会社もあります。
ポイント:型取りの際、生え際の位置(額の広さ)を決めるにはサンプル試着時に自然に見えた位置にしましょう。そして、試着した見本を基準に生え際ラインの剃り込みを深くするか緩くするか、又は同じくらいにするかなどをアドバイスを聞きながら調整してもらいましょう。
①で決定した仕様内容を指示書に記入して型と一緒に工場へ発注します。工場ではベース製作から始め、次に植毛担当部署に移り指示書通りに毛を植えていきます。最後は検品担当部署に移り仕様指示書や型と照合されます。合格ラインに達していない場合は出荷されずに調整し再検品します。ハンドメイドなのである程度の製作日数がかかります。
ご相談から完成・装着までの流れ
かつらを装着した状態でカット仕上げを行います。(部分かつらは)側頭部と後頭部にかつらの髪と自毛の交わる部分があります。その部分には、1〜2ヶ月経過して自毛が伸びてもかつらの髪との段差が出ないような特殊なカットを施します(ノウハウが必要なカットで、一般の理・美容師さんでは難しい技術です)。
また、ご希望に応じてパーマ処理を行う場合もあります。最後にセットで整えて取扱いの説明を行います。
ポイント:①、②の流れが正常だった場合は納得の仕上りになるはずです。自毛カットは目的とする長さよりもわざと1cm〜2cm長めにカットしてもらいましょう。
これは1〜2ヶ月後の自毛が伸びた状態はどのように見えるのかを予めチェックするためです。1〜2ヵ月後の自毛が伸びた状態での雰囲気や、側頭部と後頭部のかつらの髪と自毛の交わり具合が不自然になっていないかを事前に確認しておけば安心です。そして最後に、自毛を目的の長さに再カットしてもらいます。再カットについては前もって①の時に伝えておきましょう。普通は問題なく応じるはずです。
①と③を同一担当者が行うのが理想です。(会社によっては同一担当者とは限っていません)
①と③が別の担当者の場合は③の時に①の担当者にも同席してもらう方が安心です。
初回のご相談時や仕上げのカット調整時などで、わからないことがあるようでしたら、決して遠慮せずに質問しましょう。疑問点がない状態で終えるのが理想です。