かつらの髪質
すべての髪質をご経験された方なら、それぞれの特徴をご理解していると思います。そうではない方は、このコーナーをご参考にしてください。それぞれの特徴やメリットデメリットなども解説していますのでご製作の際にお役に立つと思います。
人毛 | |
提供者から集められた毛は、かつら工場で様々な色に染毛加工されコーティングや殺菌処理を行います。その後、長さや太さごとに分けられ保管します。中国毛やインド毛が代表的ですが、日本の各かつら会社は中国毛を使用します。(日本人の毛質に合うため)。 また、主に女性用として使用されているレミーヘアーというキューティクル(ウロコ状の髪の表皮)を生かした毛もあります。しかし、かつらベースへの植毛の際、結んで折り返した方の毛のキューティクルの向きが逆さなってしまうためブラッシングのたびに傷みます。 |
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メリット
太さなど種類があり、手触り感や艶もとても自然です。(部分かつらなど)自毛に馴染みやすく風になびいたときは自毛のような動きをします。ペタッと潰れにくくフワッと感が出しやすいです。
デメリット 傷みが進行するに連れ、毛絡みが起きやすくなります。ロングヘアースタイル(長髪)の場合、特に絡みやすいのでシャンプーの際はコツが必要になります。絡み防止として、人工毛を20%〜30%ほどミックスして製作すると良いです。また、使用年数と共に退色(色抜け)していきます。その場合は染めることができます。 |
人工毛 | |
繊維工場で生産されている髪質です。ポリエステル、ナイロン、アクリルの3種になります。各かつら会社がオリジナル性を主張する為に様々な商品名が付けられていますが、実際は前述した3種のどれかになります。耐熱性は、標準人工毛で110°程度、耐熱人工毛で180°の高温に耐えます。中には、200°以上の高温に耐えられるものもあります。(人毛の耐熱温度は一般的に130°です) | |
メリット
絡みにくいのでシャンプーなどのお手入れが簡単なところです。色抜けはほとんどしません。形状記憶を持ち、パーマの際は薬剤を使用せずにアイロンパイプの熱処理でかかりますので早く仕上がります。
デメリット 手触りや光沢、風合いなどが人毛に劣ることや、ブラッシングなどの静電気が原因で起こるちぢれにより、不自然さが著しくなります。(ちぢれが起こりにくい人工毛もあります)ちぢれ矯正に有効的なのは高熱パイプ型アイロンで矯正することです。また、風などで髪が逆立っても人毛のように戻らないので逆立ったままになります。 |
ミックス毛(混毛) | |
人毛と人工毛を混ぜた状態です。割合い設定は自由です。 | |
メリット
傷みが進行すると絡みやすくなる人毛に、絡みにくい人工毛を20~30%ミックスすると絡み具合が軽減します。
デメリット 人毛は退色していきますが人工毛はしませんのでアンバランスな髪色になっていきます。人工毛の割合いを40%以上にすると髪が逆だったらそのままという人工毛の悪い特徴が出やすくなります。 |